ダイナースクラブカードは元が取れるか|損益分岐点・IRR

※本記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれています。また、掲載内容は執筆時点の情報に基づいており、最新の条件・特典は公式サイトをご確認ください。



この記事は、Diners Club(ダイナースクラブカード)の年会費を、投資元本として捉えた場合の評価方法を整理する「投資評価編」です。

カードの制度・仕様・特典の前提については、すでに解説編で整理しています。

本記事では、その前提を踏まえたうえで、再現性の高い数値のみを用いて、年会費に対して回収が成立するかを数値として確認します。

なお、ダイナースクラブ リワードポイントは、利用方法によって価値や回収構造が変動します。

そのため本記事では、ポイント利用方法ごとの前提を整理したうえで、年会費との関係を確認していきます。

また、ダイニング優待や旅行関連サービス等を含めた上振れ要素については、オプション価値編で別途整理します。

目次

この投資評価編で最初に行うこと|年会費と回収構造の整理

本記事で行うのは、このカードを年会費=投資元本として捉えた場合に、

  • 年会費を回収できるのか
  • どの程度のリターンが得られるのか

を整理することです。

そのために、本記事ではIRR(投資効率)という指標を単年度ベースで用います。IRRとは、投資元本に対してどれくらいのリターンが出ているかを示す指標です。

この指標を使うことで、回収の成立とリターンの大きさを同時に確認できます。

本記事では理解を優先し、IRRを単年度ベースの回収効率指標として簡易的に整理し、

IRR(単年度)
=(年間回収額 ÷ 投資元本)− 1

※ 本記事の数値は一定の前提条件に基づく試算であり、将来の結果を保証するものではありません。

として算出します。

この式は、次の3つの要素で構成されています。

・投資元本:年会費および付随コスト
・年間リターン:ポイントで得られる価値
・評価要素:決済額やポイントの利用方法

これらを整理したうえで、自分の決済額を当てはめた場合に、回収が成立しているのか、どの程度のリターンが出ているのかを確認できる構成としています。

この記事を読み終えた時点で、ご自身の条件(決済額・ポイントの使い方など)を当てはめれば、

  • このカードを保有するかどうか
  • どの利用前提で回収が成立すると考えるか

といった点を、自分で判断できるようになることを、本記事のゴールとしています。

本記事では、そのために必要な前提を順に整理していきます。

投資元本の確定|年会費を基準にした評価の出発点

本記事では、クレジットカードの投資元本を、支払う年会費そのものとして扱います。

Diners Club(ダイナースクラブカード)の年会費は、29,700円(税込)です。

以降で確認するIRRや損益分岐点は、この年会費を投資元本として固定し、ダイナースクラブ リワードポイントによる回収水準をもとに算出します。

なお、ANAマイルへの移行を前提とする場合には、別途「ダイナースグローバルマイレージ」の年間参加料6,600円(税込)が発生します。

そのため、ANAマイル前提で評価する場合は、

・年会費:29,700円
・ダイナースグローバルマイレージ参加料:6,600円

を合算した36,300円(税込)実質的な投資元本として扱います。

まずは、この投資元本を回収するために、どの程度の決済や利用が必要になるのかを数値として確認していきます。

リターン側の前提|ポイント価値をどう置くか

年間リターンを見積もるための前提として、ダイナースクラブ リワードポイントの価値をどのように置くかを整理します。

ダイナースクラブ リワードポイントは、利用方法によって価値が変動します。

例えば、

  • ポイント充当やサービス利用へ使う場合
  • 他社ポイント等へ交換する場合
  • ANAマイルへ移行する場合

では、同じポイント数であっても、回収水準が変わります。

特にANAマイル移行は、他の一般的な利用方法と比較して回収水準が高く、実際の利用像としても合理的な前提となるため、本記事では代表的な利用前提として扱います。

そのため本記事では、代表的な利用方法ごとに前提を固定し、回収構造を整理します。

ポイント価値の考え方(前提)

ダイナースクラブ リワードポイントの価値は、利用方法によって変動します。

例えば、

  • 他社ポイント交換
  • ANA PAY等での日常利用
  • ANA SKYコイン
  • 特典航空券

など、利用方法によって回収水準は異なります。

  • 他社ポイント交換 → 主に0.4円相当
  • ANA Pay等 → 1円相当
  • ANA SKYコイン → 交換量や会員区分により1.0〜1.7円相当
  • 特典航空券 → 利用条件や予約状況によっては、3円前後の水準となる場合もあります


本記事では、再現性を重視し、代表的な利用方法ごとに以下の前提を置いて整理します。

利用方法本記事での前提
他社ポイント交換(PayPay 等)1ポイント=0.4円
ANA Pay等(日常利用)1マイル=1.0円
ANA SKYコイン等(中間的な水準)1マイル=1.5円
特典航空券等(参考上振れ)1マイル=3.0円

※ ANAマイル移行には、「ダイナースグローバルマイレージ」への加入(年間参加料6,600円・税込)が必要です。また、自動移行制ではなく、都度申込みが必要です。

※ ANA SKYコインの交換倍率は、交換マイル数・ANAカード種別・会員ステイタス等によって変動します。


※ マイル価値の考え方や前提の置き方については、こちらの記事で整理しています。
→ マイルの使い道と価値|3つの使い方で整理

年間決済額からポイント獲得量を計算する|還元構造の整理

ここでは、年間のカード決済額に応じて、どの程度のダイナースクラブ リワードポイントが獲得されるかを整理します。

Diners Club(ダイナースクラブカード)では、一般的なカード決済において、100円につき1ポイントが付与されます。

そのため、本記事では、決済額に対する基本還元率を1.0%相当として整理します。

※ 電力・ガス・水道・公金税金・通信料・保険料等、一部加盟店では200円=1ポイント(0.5%相当)となります。

この前提のもとで算出した、年間決済額ごとの想定ポイント獲得量は次のとおりです。

年間決済額想定ポイント獲得量
300万円30,000ポイント
500万円50,000ポイント
1,000万円100,000ポイント

※ あくまで理解のための例示です。

また、ポイントアップ対象店舗やキャンペーン等による追加付与については、利用条件や個人差が大きいため、本記事における主計算には含めていません。

年間決済額ごとのポイント回収額を確認する(年会費は回収できるか)

ここでは、先ほど整理した年間決済額ごとの獲得ポイント数をもとに、それを金額換算した場合の年間回収額を確認します。

この段階では、投資として成立するかどうかは判断しません。

あくまで、「年間決済額に応じて、どの程度の回収額が発生するか」という事実関係を整理することを目的とします。

ダイナースクラブ リワードポイントは、利用方法によって価値が変動します。

特にANAマイル移行については、年間40,000マイルの移行上限が設定されているため、年間決済額が400万円を超える場合には、超過部分の回収構造が変化します。

※ ANA年間移行マイルの集計期間は、12月21日〜翌年12月20日です。


まずは、ANAマイルを1マイル=1.0円として置いた場合の回収構造を確認します。

本記事では、

  • 年間40,000マイルまではANAマイル移行
  • 40,000マイルを超える部分については、1ポイント=0.4円相当の他社ポイント交換

を前提として計算しています。

年間決済額ANA移行対象超過分(0.4円)想定回収額
300万円30,000ptなし30,000円
500万円40,000pt10,000pt44,000円
1,000万円40,000pt60,000pt64,000円


次に、ANAマイル価値を変えた場合の回収額を確認します。

想定回収額は、ANA移行対象ポイント × マイル価値+ 超過分ポイント × 0.4円で計算しています。

年間決済額 1.0円前提1.5円前提3.0円前提
300万円30,000円45,000円90,000円
500万円44,000円64,000円124,000円
1,000万円64,000円84,000円144,000円

※ ANAマイル前提では、別途「ダイナースグローバルマイレージ」年間参加料6,600円(税込)が発生します。

この表は、回収額の大小を評価するためのものではありません。

次の段階では、これらの回収額を年会費と対比し、IRR(投資効率)としてどの水準に位置するかを確認します。

IRR(単年度)|回収効率の確認

ここでは、ここまで整理した前提をもとに、年間決済額ごとのIRR(回収効率)を確認していきます。

年間決済額に応じて、投資元本に対する回収効率がどのように変化するかを見ていきます。

回収額をIRRに変換して効率を見る(ダイナースクラブカードの投資効率)

先ほど整理した回収額を用いて、投資元本に対する単年度IRRを確認します。

評価前提

・投資元本:36,300円(税込)
(年会費29,700円+ダイナースグローバルマイレージ参加料6,600円)

・還元率:100円=1ポイント(1.0%相当)
・IRR=(年間リターン ÷ 投資元本)−1

年間決済額ごとのIRR(マイル価値別・単年度)

年間決済額1.0円前提1.5円前提 3.0円前提
300万円−17.4%+24.0%+147.9%
500万円+21.2%+76.3%+241.6%
1,000万円+76.3%+131.4%+296.7%

※数値は前提を置いた場合の計算例であり、結論ではありません。

この表では、自分の年間決済額において、どの水準で回収が成立するかを確認します。

次の段階では、これらのIRRがどのような水準として読めるのかを整理していきます。


この結果を踏まえ、
本カードの申込条件や手続きの内容を確認したい場合は、以下より確認できます。

IRR表の読み方

ここで確認するのは、自分の年間決済額に近い行において、IRRが0%を超えているかどうかです。

IRR表の確認ポイント

 ・IRR=0%
   →  回収額=年会費(損益分岐)
 ・IRRがマイナス 
   →  回収不足(差額は持ち出し)
 ・IRRがプラス  
   →  年会費を上回る回収
 ・IRRが大きいほど
   →  リターンの余裕が大きい

たとえば、年間決済額300万円・ANAマイル価値1.0円の前提では、IRRは −17.4% となります。この場合、投資元本36,300円に対して回収が不足している状態です。

一方で、年間決済額500万円・ANAマイル価値1.5円の前提では、IRRは +76.3% となります。この場合、投資元本を上回る回収が発生している状態です。

また、年間決済額1,000万円・ANAマイル価値1.5円の前提では、IRRは +131.4% となります。この場合、投資元本の2倍以上の回収が発生している状態です。

これは、回収が成立しているだけでなく、投資元本に対して大きな余裕をもってリターンが確保されている水準です。

ただし、IRRが高いほど投資元本に対する回収効率は高くなりますが、実際の年間回収額や利用条件もあわせて確認する必要があります。

このように、IRRは回収の成立有無だけでなく、投資元本に対するリターン水準を確認するための指標です。

ただし、IRRだけでは、投資元本を回収するために必要な決済額までは確認できません。

そのため、次に損益分岐点(BEP)を確認します。

損益分岐点(BEP)(ダイナースクラブカードは元が取れるライン)

前章では、年間回収額と投資元本を対比し、回収効率(IRR)がどの水準に位置するかを確認しました。

ここでは、回収額と投資元本が一致する数値上の境界線として、損益分岐点(BEP)を確認します。

損益分岐点算定に用いる前提

まずは、損益分岐点となる年間決済額を確認します。

評価前提

・投資元本:36,300円(税込)
(年会費29,700円+ダイナースグローバルマイレージ参加料6,600円)

・還元率:100円=1ポイント(1.0%相当)
・マイル価値:1マイル=1.0円相当
(再現性を重視した下限前提)

損益分岐点は、カードに固定された数値ではありません。

マイル価値をどの水準で置くかという前提が変われば、損益分岐点となる決済額も変化します。

マイル価値必要マイル数損益分岐となる決済額
1.0円36,300マイル約3,630,000円

これは、ANAマイルを1マイル=1.0円として置いた場合、年間約363万円の決済で、投資元本36,300円と回収額が一致することを意味します。

計算式

・必要マイル数 = 投資元本 ÷ マイル価値
・損益分岐点となる決済額 = 必要マイル数 ÷ 還元率(1.0%)

IRRと損益分岐点を用いた判断の整理

ここまでで、IRRと損益分岐点(BEP)について、数値と前提をもとに確認してきました。

これらの指標は、それぞれ以下の役割を持ちます。

2つの指標の役割

・損益分岐点(BEP)
 → 年会費が回収に到達しているか

・IRR (回収効率)
 → 年会費に対してどの程度のリターンが発生しているか

まずは、自分の決済額が損益分岐点に到達しているかを確認します。

そのうえで、IRRの水準から、投資元本を上回るリターンの大きさを把握します。

これらをもとに、自分の決済額に当てはめたときに、本カードが回収可能かどうかと、どの程度のリターンが見込めるかを判断できます。

本記事では、ANAマイル移行を前提とした下限評価を行っています。

ダイニング優待や旅行関連サービス等を含めた上振れ要素については、オプション価値編で整理しています。

最終的な判断は、ご自身の利用状況に照らしてご検討ください。



本カードの申込手続きに進む場合は、
申込条件や手続きの内容を以下より確認できます。

ここまでの整理に加えて、判断の精度を高めるために確認しておきたい内容は、以下で確認できます。

次に進むための整理

ここまでで、IRRおよび損益分岐点(BEP)を用いて、年会費に対する回収構造を整理してきました。

これらの数値は、自分の決済額において、年会費に対してどの程度のリターンが発生しているかを示したものです。

ここまでに整理した年間決済額ごとの回収額やIRRの結果を前提として、本カードを保有するかどうかは、自分の年間決済額に照らして判断できます。

自分の状況に応じて、次に確認する内容

・特典や付帯価値も含めて確認したい場合
 → オプション価値編を見る

・カードの仕組みや特典を確認したい
 → 解説編|特典とポイントの仕組み

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